大きな不安に襲われて線がぷつりと切れそうになる時、どうすべきか | 東京の事業承継M&A会社:東京・横浜・千葉・埼玉・大阪を中心に活動/事業承継/企業再編/M&A/合併/企業買収/分割/会社清算/相続/贈与
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大きな不安に襲われて線がぷつりと切れそうになる時、どうすべきか
不安は善だが…
企業経営を続けていく中で、多少の不安要素は必要だと思います。成長する過程においては、階段を上るがごときバランスを崩しそうになることは必須条件でしょう。はたから見たら順風満帆に行っていても、直接経営者と話をするといくつもの不安要素を抱えていることが多いですし、そうあるべきです。
しかし、時に経営者はとても大きな不安に襲われることがあります。例えば、上図のようなケースです。経営者自身改心しないといけない部分もあるでしょうが、一方、こういった事業経営の存続そのものが危ぶまれる大問題の時に、経営者はどうするべきでしょうか。
偉そうなことは言えませんし教科書的なことには意味がないと思いますので、本当のことだと思えたものだけ記します。
1.冷静になる
2.健康管理に気を付ける
3.自信や欲望をかきたてる努力をする
冷静になる
こういう時こそ、冷静になることはとても重要だと思います。逆に、精神が安定せずに興奮等してしまっている状況の中で動いて、大失敗を被ったという例は枚挙にいとまがありません。
中小企業の場合、重要なことは経営者が決めることが多いですから、外側の自分から内側の自分に対して、「冷静に」「冷静に」と繰り返し諭すように言い続ける必要があります。この冷静さは、取引先や従業員、家族に対する時に特に重要です。取引先との営業場面や契約打ち切り場面で、従業員との打ち合わせ場面やトラブル場面で、家族との話し合いの場面や謝罪の場面で、「冷静に」「冷静に」と呪文のように唱えて下さい。
また、危機の時こそ自分自身や自社を客観的に見る目や心の余裕があることも重要ではないかと思います。どうしよう?出口が見えない?明日が怖い?という状況でも、経営者は必要に応じて、「笑顔を作れないといけません」、「威風堂々としておくべきです」また「無口で居続けなければなりません」。自分や会社がどう見られているかということを、経営者自身がわかっていないと、こういった行動はとれないでしょう。
健康管理に気を付ける
危機の時こそ、経営者は健康管理に気を付けるべきです。よくあるのは、危機が高ぶっている時は症状が抑えられているのですが、いざ少し事業の改善の見込みが見え始めた矢先に倒れてしまいすべてが振り出しに戻ってしまうというようなケースです。お尻から血が出てきたら、考え込むのを止めて映画やお笑い番組をボーっと見る時間を作りましょう。物を持ち上げる時や階段の上り下りでヒヤリやハットがあれば、1時間座るか寝転んで休憩して下さい。栄養剤、ビタミン剤の摂取も忘れずに。
自信や欲望をかきたてる努力をする
お金が無くても浮気をしても大トラブルに巻き込まれても、中小企業経営者の場合、何とかなることが多いです。でも、自信や欲望がなくなってしまうと、その後復活するのは難しいです。突発的な危機やトラブルに見舞われると、一時的に自信がなくなったり、何に対しても欲望を感じないようになる時があります。
そんなときは、「自信や欲望を自らかきたてる努力が必要」となります。
会社から自宅への帰り道に、「おれはすごいなー、・・・(自信)」とか、「あの車絶対俺のものにするぞ、・・・(欲望)」とかを想像してみるといいのかもしれません。
こういう時こそ本当のポジティブ思考が必要です。つまり、「単なる偶然を必然と考えられる想像力」です。きっかけは結構あっちこっちに転がっているものです。
欲望をあきらめない
精神科医の世界では、「素晴らしい人生とは?幸せな人生とは?」に対する一定の共通した解があるそうです。
それは、「欲望をあきらめない」ことだそうです。
また、その欲望が湧いてこないときには、「自分の勝手なものさしを捨てる(ように努力する)」といいようです。つまり、世間体を気にしないや比較するのを止めるのです。すると、自分の欲望が見えてくることがあるようです。大危機の時に欲望喪失になったら、使ってみて下さい。
最悪の事態を想定して受け入れる
最後になりますが、大危機の時に「最悪の事態を想定してしまう」というのも有効なことがあります。「では最後、会社と自分が自己破産して、親戚に頭を下げて、自宅が無くなり、自宅・会社半径10キロで恥ずかしい思いをすればそれで済むのやな」とかをイメージしてしまうのです。
最初は、身体がビクッと身震いして背筋が寒くなりますが、何日かすると、大きいと思っていた問題が案外ちっぽけかもと思うこともありますし、思わないこともあります。開き直りかもしれませんが、仕事だけが人生ではないしお金だけでももちろんないし、一度かけた迷惑で一生を台無しにする必要も無いと思いますのでお勧めです。
2012.12.1執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。